日本調理科学会大会研究発表要旨集
2022年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-k11
会議情報

特別企画 次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理 ポスター発表
千葉県の家庭料理 地域の特徴
ー多様な地域食品を活かした料理ー
*渡邊 智子梶谷 節子柳沢 幸江今井 悦子石井 克枝大竹 由美中路 和子鈴木 亜夕帆
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抄録

【目的】『次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理』のガイドラインに準じた千葉県の調査結果から、昭和35~45年頃までに定着し現在も食される千葉県の家庭料理について報告する。

【方法】9地域の代表的な家庭料理および千葉県の特徴を明らかにした。

【結果・考察】利根川流域:自家野菜料理「野菜の煮物や漬物」、荒川の小魚佃煮「ざっこ」、重曹を使う「小麦粉饅頭」、自家米のくず米使う「草餅」、東京湾奥:田せりを使う「せりと油揚げの煮浸し」、根深葱を使う「あおやぎのぬた」、自生のよもぎを使う「もち草のだんご」、房総湾奥海岸(市川・行徳):自家製野菜の「野菜の煮物(ごった煮)」、「あさりの味噌汁」、房総湾奥海岸(船橋・習志野):丸めずに作る「ぼたもち」、「あさりと長ねぎのかき揚げ」、安房:自生するせりの「細巻きずし」、おからで作る「からなます」、牛の初乳で作るカテージチーズの甘辛煮「ちっこ豆腐」、房州海岸:川魚「はやの甘露煮」、日常にも行事にも食す「いわしのうの花づけ」、北総台地(成田):おかずやお茶うけの「落花生みそ」、自家野菜と鶏肉の「混ぜご飯」、九十九里海岸:お盆のごちそう夏野菜の「七色ぜい」、くず米で作る「性学もち」、絵柄を楽しむ「太巻き寿司」、北総台地(東金):「せりご飯」、「落花生みそ」、自家製の胡麻を使う「ごま汁のそうめん」、自家野菜の甘辛煮「きゃらぶき」が代表的な家庭料理として食されてきた。

 千葉県は、平野と丘陵が大半を占め豊かな海と温暖な気候により多様な食材の日本有数の生産県である。昭和35~45年頃は自生や自家製の豊富な野菜や果物、採取した貝や魚等の地域食材を料理してきた。これらの料理は地域や学校給食により継承されている。

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