【目的】家庭料理研究では、調理経験の長い主婦層を対象として調査したが、若い世代の郷土料理に対する考えについて知る機会は少なかった。そこで、子育て世代が捉える郷土料理のイメージと郷土料理の喫食実態等を明らかにすることを目的とした。
【方法】福島市内の小学生の子を持つ保護者を対象に、基本属性、郷土料理に対するイメージや伝承意識、福島県の郷土料理の認知度や喫食経験等についてGoogleフォームで調査した。回答者126名(回収率25%)について単純集計及びクロス集計し、SD法によりイメージプロフィールを得た。さらに、因子分析(最尤法、バリマックス回転)を行った。
【結果】郷土料理に対するイメージは、「温かみがある」「田舎的な」「季節感がある」「伝統的な」の点数が高かった。因子分析では6因子が抽出され、それぞれ「(調理への)抵抗感」「郷愁感」「質素」「親近感」「健康的」「食味的」と命名した。子育て世代は郷土料理を、調理するのは面倒だが質素で郷愁感があり、日常的な親近感あるものと捉えつつ、濃い味付けに懸念を示した。福島県の郷土料理24品のうち認知度が最も高かった料理はいかにんじん125名(99.2%)で、ちまき122名(96.8%)、こづゆ112名(88.9%)、凍み豆腐の煮物110名(87.3%)、しそ巻き109名(86.5%)の順であった。こづゆ以外は福島市周辺に伝承される料理であり、親世代から回答者へ伝えられたと推察された。ちまきやしそ巻きは調理できないとする割合が高く、回答者から子ども世代への伝承が危惧された。子育て世代の約60%が郷土料理を今のまま伝え継ぎたいとし、約40%がレシピなどの情報提供を望んでいた。