日本調理科学会大会研究発表要旨集
2022年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-16
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ポスター発表
炊飯モードの違いによる米飯特性
*常田 妃奈乃小﨑 智恵藤井 恵子
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抄録

【目的】食の多様化に伴い調理家電は進化しており、炊飯器においては様々なモードで異なる仕上がりの米飯調理を選べるようになっている。そこで本研究では、炊飯器の炊飯モード(標準・もちもち)の違いによる米飯の物性の特徴を明らかにすることを目的とした。

【方法】精白米(令和2年新潟県産こしひかり)450 gを洗米後、炊飯器のモード選択で「標準」または「もちもち」に設定し炊飯した。炊飯時の温度履歴、及び米飯の水分含量、静的粘弾性、破断特性、テクスチャー特性を測定し、あわせて走査型電子顕微鏡(SEM)で米飯粒の表面及び断面の観察を行った。テクスチャー特性については成型法と一粒法の測定を行った。また二点識別法を用いて官能評価を実施した。

【結果】炊飯時の温度履歴は、もちもちモードの方が温度上昇開始時間は遅く、沸点保持時間は長かった。米飯の水分含量は、標準モードの方が高値を示した。静的粘弾性では、フォークト部の粘性率、遅延時間においてもちもちモードで炊飯した米飯の方が高値であった。テクスチャー特性では一粒法では有意差は認められなかったが、成型法においてモード間での違いが見られ、炊飯当日の硬さ、もろさ、付着性、ガム性においてもちもちモードの方が高値であった。組織構造の観察では、標準モードと比較し、もちもちモードの方が連続相を見ると細かいネットワーク構造となっており、糸をひく様子が観察された。官能評価では、分析型において標準モードの方が粒感が強く感じると評価され、軟らかさはもちもちモードの方が軟らかいと評価された。また嗜好型においては、外観は標準モードの方が好まれた。食感、総合評価においては有意差は認められなかった。

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