日本調理科学会大会研究発表要旨集
2023年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1P-42
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ポスター発表
カジュアルスタイルの食器制作および食器を使用した料理とテーブルコーディネート提案
*間宮 貴代子小出 あつみ阪野 朋子
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抄録

【目的】岐阜県の多治見地域は古くからタイルや陶器産業が盛んな地であるが,現在は消費者の陶器の購入量が減少し,衰退傾向を示している。本研究では多治見地域にあるブランド名「寿山」の丸仙化学工業所と協働して,陶器の新たな可能性を広げ,若者にも手に取りやすいカジュアルスタイルの食器の制作を行った。さらに,制作した食器を使用して料理とテーブルコーディネートの提案を行った。

【方法】カジュアルスタイルの食器の制作のため,ターゲットと使う場所や盛る料理のコンセプトを設定し,5種類のデザインを提示した。粘土と紙で食器の試作をし,企業と話し合いと修正を繰り返し,新たに別のデザインを加え2種類のデザインを決定した。決定したデザインの設計図を作成し,丸仙化学工業所で,タタラ製法を用いて試作し,食器を完成させた。さらに完成した食器に合う料理とテーブルコーディネートを提案した。

【結果】制作した食器のひとつは,パスタやサラダ等のボリュームがある料理に使用できる大きさで,汁気がある料理を盛り付けられる深さにした。直径290 mm,内径170 mm,深さ26 mmで,ふちの色は濃い黄色にして,カジュアルな雰囲気を出すため花と葉の柄を入れた。もうひとつの食器は,縦150 mm×横265 mmの長方形の平皿で,皿の右上を三角に折りまげ,手で持ちやすいように工夫した。色はベージュで,麻の布目模様をつけ,ひとつ目の食器と同じ花と葉の柄の模様を入れた。作陶では,予算や,製法技術の面から食器の重さや,デザインなどで希望通りにはできなかった面はあったが,用途幅の広い食器を完成することができた。各食器の色と形に合わせた料理を調製して盛り付け,食器に合わせたテーブルコーディネートを提案した。

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