日本調理科学会大会研究発表要旨集
セッションID: 2P-29
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ポスター発表
ランダムセントロイド最適化法を用いた「大和丸なす」ジャムの材料配合割合の探索
*岩田 惠美子後藤 昌弘西村 公雄
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抄録

【目的】ランダムセントロイド最適化(RCO)法は,相互に影響をおよぼし合う因子を組み合わせ,反応条件などの最適点を調べるプログラムで,複数の因子の最適値を同時にかつ最小実験回数で求めることができる。そこで,奈良県の伝統野菜の一つである「大和丸なす」で流通経路に乗らないものの有効活用を目指し,食味評価が高く,保存性の高い加工品としてジャムの調製をするため,このRCO法を用いて「大和丸なす」ジャム調製時の砂糖とレモン果汁の最適な配合割合を調べた。

【方法】官能検査は,評点法により「色の好ましさ」,「甘みの強さ」,「酸味の強さ」,「総合評価」を調べた。大和丸なすは県内の青果商より購入し,皮を除いてみじん切りにした後,水にさらして用いた。RCO法の因子は砂糖とレモン果汁の重量とし,設定範囲は砂糖50~100 g,レモン果汁5~15 gとした。プログラムに入力したところ,初めに9個の組合せが示され各条件でジャムを調製した。官能検査を行いその総合評価を入力すると,さらに2個の組合せが示された。その条件に従って調製したジャムの官能検査の結果を入力したところ,各最適添加量が示された。また,ポケット糖酸度計を用いて糖度と酸度を測定し,砂糖とレモン果汁の添加量,官能検査の結果とともに相関関係を調べた。

【結果】RCO法を用いて解析した結果,砂糖71.69 g,レモン果汁11.26 gが最適添加量として示された。また,酸度と砂糖の添加量や甘味の強さの間に負の相関があり,総合評価とレモン果汁の添加量や酸度に正の相関があった。酸味の強さと総合評価の間に強い正の相関があったことから,酸味の強いものが好まれることが明らかとなった。 本研究は,畿央大学健康科学研究所プロジェクト研究の助成を受けたものである。

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