日本調理科学会大会研究発表要旨集
セッションID: 2P-36
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ポスター発表
小・中学生のCOVID-19流行以前と流行中の食事摂取状況比較
*森井 沙衣子坂本 薫
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抄録

【目的】新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により,私たちの生活は大きく影響を受けた。子どもたちの生活習慣も変化していると考えられるが,それらの調査報告は多くない。そこで,A市が実施した小・中学生の生活習慣や食意識を調査したアンケート調査を解析し,COVID-19流行中の児童・生徒の食事摂取状況の実態を流行前と比較することとした。

【方法】対象者はA市の公立小・中学校に在籍する小学3, 5年生,中学2年生とした。COVID-19流行以前(2015年)の調査は質問紙法,COVID-19流行中(2021年)の調査は,インターネットを利用して実施した。

【結果】中学生で朝食を「必ず毎日食べる」と答えた者は2021年調査において有意に減少し,「食べないこともある」,「ほとんど食べない」の回答割合が増加した(p<0.001)。これは,特に中学生で起床・就寝時間が遅くなったことと関係していることが推察された。また昼食から夕食までの間におやつを食べる頻度は,小学3年生で多くなり(p<0.001),さらに小学生では夜食を「ほとんど毎日食べる」と回答した者が増加した(p<0.001)。共食状況は,いずれの校種においても朝食を「家族そろって食べる」が増加し(p<0.01),小学生では夕食の共食も増加していた(p<0.001)。これらの児童・生徒における食事摂取状況の変化は,COVID-19の流行により登校日が不規則になり,在宅時間が長くなったことが影響している可能性があると考えられ,家族との共食頻度が増えたことも,コロナ禍により保護者の在宅勤務が増加したことと関連しているのではないかと推察された。

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