日本調理科学会大会研究発表要旨集
セッションID: 2P-37
会議情報

ポスター発表
官学連携による朝食摂取率上昇に向けた取り組み
—「ビンゴでおにぎり」の有益性と朝食摂取状況に関与する因子の検討—
*畦 五月有馬 弘之
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】国民栄養調査(2019年)での朝食摂取率は特に20代で低い傾向が,さらに低年齢層でも低傾向が示されている。香川県においても小・中学生の朝食摂取率(2019年調査1))は小学校89.1%,中学校 85%であり,2018年全国学力・学習状況調査の86.7%と同程度であった。本研究では,香川県のモデル校において,5分以内に1人で作成できるおにぎりのメニューを提案し,朝食摂取率を上昇させることを目標とするともに,朝食摂取に影響及ぼす生活習慣の因子等の検討,および本取り組みの有益性を検討することを目的とした。

【方法】香川大家庭科領域学生とともにビンゴ形式のおにぎりメニューを提案し,小学校2校,中学校2校(モデル校)で夏休み宿題として実施後にアンケートを実施した。

【結果・考察】実施後の摂取率は,小学生85.9%,中学生85.7%であった。本実践により有意に「時々食べる」者が「毎日食べる」者になり,本企画の有益性が認められた。朝食摂取に影響する生活習慣は,睡眠関連因子,ネット・ゲーム時間,夕食摂取状況,不定愁訴区分であったが,これらの因子相互の関連性は小・中学生で若干違いが認められた。さらに朝食摂取状況と家庭環境因子(共食,家族との会話,家族の朝食摂取状況)が有意に関連した。実践後は,朝食を1人で作る意欲が増したが,その意欲には小学生では実践後も朝食を作成している者,家族との会話が,中学生では小学生の2因子に加えて,性別,ネット・ゲーム時間,不定愁訴区分,共食,料理実施状況の因子が有意に影響した。家庭科の教科の時間に限らない低年齢からの食育の取り組みとして,また,朝食の摂取状況別にプログラムを構築し朝食摂取向上に取り組む必要があると考えられた。

1) 香川県教育委員会HP

著者関連情報
© 2023 日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top