日本調理科学会大会研究発表要旨集
セッションID: 1C-2
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口頭発表
平成中期から後期の「栄養と料理」に掲載された夕食献立の献立構成と料理の特徴
*石尾 梨紗宇田川 心優森久 瞳木村 留美杉山 寿美
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抄録

【目的】我が国の食事は,飯,汁,菜で構成され,ユネスコ無形文化遺産に「和食」が2013年(平成25年)に登録された。我々はこれまでに『栄養と料理』に掲載された献立カレンダーの夕食献立に着目し,献立構成,料理の特徴について報告してきた。本報告では,平成中期(平成10~14年)と平成後期(平成24~28年)の夕食献立の献立構成,料理の特徴を比較し,献立構造の変化を検討した。

【方法】平成中期の1,708献立,平成後期の夕食献立1,154献立について,献立構成および献立構成ごとの主食の種類,菜(副食)の主材料,料理様式等を比較した。

【結果】平成後期の献立構成は一菜3%,二菜12%,三菜38%,一汁一菜5%,一汁二菜27%,一汁三菜13%であり,平成中期よりも一汁二菜(46%)が少なく,一汁三菜(7%)が多かった。平成後期の主食は白飯67%,味付き飯22%,パン6%,めん6%であり,中期より白飯(84%)が少なく,味付き飯(8%)が多かった。汁を含む献立は46%であり,中期の56%より少なかった。献立構成ごとで比較すると,平成後期は味付き飯を主食とする献立が,二菜47%,一汁一菜75%,一汁二菜23%,であり,平成中期(25%,50%,5%)よりも多かった。一方,一汁三菜では白飯を主食とする献立が中期(97%),後期(93%)ともに多かった。菜については,平成後期は野菜類を主材料とする菜(41%)が,平成中期(35%)よりも多く,1品目の菜では和え物・サラダ(12%)が平成中期(6%)よりも多かった。以上より,平成後期は平成中期と比較して,一汁三菜献立が多い一方で,白飯を主食とする献立,汁を含む献立が少なく,野菜を主材料とする菜を含む献立が多いことが示された。

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