日本調理科学会大会研究発表要旨集
セッションID: 1P-7
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ポスター発表
微細米粉の基礎研究
—ドウとバッター調製時における油添加の影響—
*野口 聡子徳永 みな子中本 恵子中谷 梢八木 千鶴山本 悦子米田 泰子
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キーワード: 微細米粉, , 生地調製, 粘度, AST値
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抄録

【目的】微細米粉を用いたケーキ類やパイクラストの調製条件と製菓特性を明らかにする過程で,米粉における換水値や副材料の影響を知るために,本報では米粉(米)のドウとバッターに油を加え,薄力粉(薄)・強力粉(強)のドウとバッターとの違いを比較した。

【方法】ドウの配合は粉を300 gとし米では,油120,150,180 g(0.40.50.6),薄に油90,120 g(0.30.4),強に油90,120,150 g(0.30.40.5)を加え,ホームベーカリーで調製した。水分含有率(Cm),水分活性(Aw),圧縮試験(CT)を行った。バッターの配合は粉1に対し油を0,150,180,200,214.3,225 g(11.522.53)加え,ハンディフードプロセッサーで調製した。Cm,Aw,粘度(Vi),AST値測定を行った。

【結果】ドウ・バッターのCm,Awは油添加量が増加すると減少しており,粉の違いによる差はみられなかった。ドウのかたさは,油添加量が増加すると米>薄>強の順にやわらかくなった。歪率80%時の荷重で,米1:0.51:0.6と薄1:0.3と近く,米1:0.4は 薄1:0.4 ,強1:0.3と近いかたさになった。バッターのViは油添加量が増加すると低下し,AST値は高くなった。Viは米>強>薄の順にやわらかく,AST値は米>薄>強の順になり,面積が広がりやすくなった。 以上の結果から,油による影響について,Cm,Awにおいては粉自体のCmと同等であり,油脂の影響は受けない。米はVi,AST値に関して,Viが低くなるが,AST値は高くなった。米は他の粉に比べ,親油性が低いといえた。

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