日本調理科学会大会研究発表要旨集
セッションID: 1P-26
会議情報

ポスター発表
白だしのプロダクトマップ作成
*森 勝哉板井 紀康来島 壮
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】だしに薄口しょうゆやみりんなどを加えた白だしは,様々な料理に用いられる調味料である。しかし,白だしの香りや味に関する研究は少なく,詳細な特性比較も望まれる一方,商品を簡便に評価する手法が求められてきた。ここで,サンプル間の特性の相違を評価できる有効な手段として,プロダクトマップが挙げられる。本研究では,NappingRとCheck-All-That-Apply(CATA)を実施し,白だしプロダクトマップの作成を試みた。

【方法】市販の10種の白だしを試験に用いた。Nappingは,香りと味の類似性に従って,サンプルを白紙上に配置させて座標データを得た。CATAは,香りや味に関する官能特性を示す24の用語について,サンプルに対して感じた用語を全てチェックさせてサンプル特性を得た。さらにMultiple Factor Analysis(MFA)を用いて,Nappingで得られた座標データにCATAデータを統合することで主成分の解釈を行った。パネルは男女10名で実施した。

【結果】NappingデータのRV係数は,90%のパネルが0.5を上回っており,グループ全体と個人の評価は一致したとみなした。サンプルが附置されたマップは,第2主成分まででデータ全体の情報のうち60%程度を説明できた。CATAの結果から,サンプル特性はかつお節やしょうゆの香りに関する用語に関係すると考えられた。作成されたプロダクトマップの結果から,今回用いたサンプルは,4つのクラスターから成ると想定された。本研究によって,白だしのプロダクトマップが作成でき,また商品の類似性には香りの影響が大きいとわかった。

著者関連情報
© 2023 日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top