主催: 一般社団法人日本調理科学会
会議名: 2025年度大会(一社)日本調理科学会
回次: 36
開催地: 東海学園大学
開催日: 2025/08/30 - 2025/08/31
【目的】豆類は日本の食文化に欠かせない作物であるが,調理の過程で必須となる組織の軟化を目的とした浸漬操作が調理工程を煩雑にすることで,一般家庭や給食施設での利用が敬遠されている。本研究では,大豆と小豆について粒の大きさ(粒度)の違いが浸漬操作による煮熟後の軟化に及ぼす影響に加え,小豆においては加工特性に関与するデンプンの糊化特性を把握することを目的とした。【方法】大豆は極小粒大豆の早生黒千石,大粒大豆の新丹波黒,小豆は普通小豆のエリモショウズ,大納言小豆の京都大納言とし,それらを篩分けして粒度別に1~4種の試料を供した。各試料を5℃または20℃で0~24hr経時的に浸漬して重量を測定し,吸水率を求めた。また,5℃で浸漬した豆類を各々煮熟し,卓上型物性測定器にて破断荷重(N)を測定した。さらに,小豆はデンプンを分画後,示差走査熱量計にて糊化温度を測定した。【結果】大豆・小豆ともに,品種を問わず浸漬温度が高い20℃で吸水率は高かった。また,吸水率は品種によって異なり,大豆では新丹波黒,小豆ではエリモショウズの方が高かった。同一品種のうち粒大別で比較すると,大豆の新丹波黒では粒度の違いで吸水率に差が見られたが,小豆では認められなかった。各浸漬時間による煮熟後の破断荷重は,吸水率に関わらず極小粒大豆の早生黒千石では差がない一方,その他の豆類は吸水率が高いほど有意に破断荷重が低く,煮えムラも低下した。小豆デンプンの糊化温度は,同一品種では粒大が大きくなると糊化温度は低くなり,特にエリモショウズの糊化終了温度は,有意に(p<0.05)低下した。以上のように,豆類の加工特性に関与する吸水や糊化特性が同種の豆であっても品種により異なることが明らかになった。