日本調理科学会大会研究発表要旨集
2025年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1A-2
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真空調理で調製した黒豆豆腐の調理特性ともちもち感の指標化
*浜口 紗世小﨑 智恵藤井 恵子
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抄録

【目的】岩手県盛岡市の特産品である雁喰豆は、知名度が低く、近年収穫量の減少、並びに優良豆の減少という課題を抱えている。本研究では雁喰豆と5種類の澱粉を用いて黒豆豆腐を調製し、澱粉の種類や濃度が黒豆豆腐の力学特性や嗜好性、老化特性に及ぼす影響を検討した。

【方法】澱粉添加黒豆豆腐は、雁喰豆と豆乳をミキサーにかけ、タピオカ澱粉、コーン澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、小麦澱粉を5、7.5、10、12.5、15%となるように添加して真空包装し、芯温98℃で15分間加熱して調製した。得られた黒豆豆腐の静的粘弾性、破断特性、テクスチャー特性を測定するとともに、官能評価により嗜好性を検討した。また、真空包装した試料を10℃で5日間保存し、老化特性を調べた。

【結果】黒豆豆腐のみかけの弾性率は、タピオカ澱粉添加試料が最も小さく、次いで小麦澱粉添加試料となり、コーン澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉を添加した試料はほぼ同程度の高値を示した。また、真空包装した澱粉添加試料は保存中に老化し、みかけの弾性率、硬さが増加したが、その変化はわずかであり、真空状態で保存することで老化を抑制することができた。特に小麦澱粉添加試料は老化しにくかったことから、小麦澱粉は老化抑制に適した澱粉であることが示された。官能評価においては、澱粉濃度5%では澱粉の種類による違いは見られなかったが、10、15%ではタピオカ澱粉、小麦澱粉を添加した試料はもちもちとしていて、好ましいと評価された。官能評価で得られたもちもち感は応力-ひずみ曲線の破断直前の傾きをみかけの弾性率で除した値と強い正の相関が認められたことから、澱粉ゲルのもちもち感は破断特性値より算出できるパラメータによって評価できることが示された。

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