赤門マネジメント・レビュー
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査読つき研究論文
知識移転研究はどこまで来たか
文献調査から見えた今後の研究課題
横澤 公道
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2018 年 17 巻 2 号 p. 25-46

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抄録

本稿の目的は、 知識移転に関する論文の系譜を読み解くことにより、現在ある理論の空白を明らかにしたうえで今後の研究課題を提示することである。まずは知識移転としての経営システム移転論の発展経路を分析し、その後、特に戦略論をベースとする知識移転論に焦点を当て、その中でどのような課題が残されているのか調査した。その結果、知識移転論の大きな課題のひとつとして単一組織対単一組織の知識移転ではなく組織のコミュニティに対する研究とその優位性に関する研究が少ないことを明らかになった。コミュニティへの知識移転は、組織同士の境界線が比較的顕著になることからメンバー同士の制度、文化、力関係などの相互作用が顕著になり、知識移転の複雑化が見込まれる。しかし、移転の過程において、メンバー間において自主的に学習する制度を作ることで、独立した企業へ行うよりも、財閥、系列企業から作ったコミュニティを利用して移転したほうが知識の移転度が高い可能性があることを議論する。

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