2024 年 23 巻 1 号 p. 31-40
5章では、Arthur (2009) のフレームワークに準拠し、行動パターンが急進的に変化する事象に対し説明を試みる。ここでは、ランダムな変異 (variation) ではなく、意図的な再結合 (recombination) の重要性が示される。そして、生物学ではない領域における進化的プロセスについて、Arthur (2009) のテクノロジー進化における再結合の役割を参照しながら、レビューする。ルーチンの拡散という観点から、時間とメカニズムを考察し、ルーチンが急進的に変化するプロセスのモデル構築を、ナラティブネットワークを用いて行う。