論文ID: 0230323a
日本のトラック運送は、運送需要の低迷や低収益、トラックドライバーの高齢化や長時間・低賃金労働による低待遇のため持続性の危機にあると言われている。本研究では、トラック運送の危機を受けて、運送サプライチェーン関与者が、課題解決の本命とされるデジタル情報の活用をどのような観点で推進しているかを、インタビューを含む調査で明らかにする。調査の結果、デジタル情報活用推進は、危機に瀕しているトラック運送事業者の為というよりは発荷主・着荷主の運送効率化の為の活用推進となっていることが分かった。その背景には、運送を委託する荷主とトラック運送事業者間、及び運送を受け持つトラック運送事業者間の取引関係があることを明らかにした。