麻酔ラットの後肢足蹠に侵害性機械的刺激を加えると動脈圧が反射性に上昇する(体性-昇圧反射).一方,ラットでは脊髄後角第I層に起始するニューロンの90%近くが反対側の外側腕傍核に直接投射する.そこで本研究では,体性-昇圧反射に外側腕傍核が関与するかを検討した.外側腕傍核の関与は一側外側腕傍核にムシモールを投与してその神経活動を抑制することにより検討した.動脈圧は頸動脈に挿入したカテーテルを介して観血的に記録した.侵害性機械的刺激は外科用鉗子を用いて,ムシモール投与側の同側または反対側の後肢足蹠に加えた.ムシモール投与により安静時動脈圧は変化しなかったが,反対側後肢足蹠刺激時の動脈圧上昇反応は有意に減弱した.同側後肢足蹠刺激時の反応は減弱傾向を示したが有意ではなかった.以上,外側腕傍核は侵害性機械的刺激時の体性-昇圧反射に関与するが,その関与には側性があることが示された.