情動は自律神経反応と密接に関係している.しかしながら,両者にどのような因果関係があるのか未だ充分に解明されていない.この2つの関係性をより深く理解するため,情動変化が自律応答へ与える影響について,および自律反応が情動へ与える影響について,両方向から調べることを考えた.そこで我々は,光遺伝学的手法を用いた,情動-自律応答連関の解明を目指す2つの自由行動マウス実験系の開発を行った.その結果,ファイバーフォトメトリー法を用いて,嫌悪情動がオレキシン神経活動を引き起こし,その結果心拍を上昇させていることを明らかにした.