運動により交感神経活動と動脈圧は上昇する.交感神経活動は運動強度に比例して増加し,その結果動脈圧も運動強度に比例して上昇する.運動中に腎交感神経活動の動脈圧受容器反射カーブが右上へ急性にシフトする.おそらく,生体全体の交感神経の動脈圧受容器反射カーブも同様なシフトが生じ,運動中は全身一様に交感神経活動の増加が生じていると考えられる.運動強度に比例した交感神経活動の増加は,筋肉収縮の強度に比例した求心性情報の変化が中枢に伝えられていることによる.セントラルコマンドは,臓器特異的に交感神経活動を変化させることができるが,運動中には全身一様に交感神経活動を増加させる作用をしている.以上,動脈圧受容器反射の急性シフトにより,運動中に交感神経活動と動脈圧が同時に持続的に増加する.