2022 年 59 巻 3 号 p. 311-319
80歳台高齢者では白質型多発性脳梗塞(white matter disease, WMD),アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD),レヴィー小体型認知症(dementia with Lewy bodies, DLB)がそれぞれ80%: 33%: 7-8%にみられ(重複を含む),特にAD+WMDの組み合わせが多い.さらに,高齢者では末梢神経障害をきたす糖尿病も多い.自律神経障害の中の起立性低血圧,過活動膀胱,消化管運動障害は,加齢と共に増加することが知られている.このうち,起立性低血圧には糖尿病とDLBが,過活動膀胱にはWMDとDLB(と一部AD)が,消化管運動障害には糖尿病とDLBが大きく関与しているものと考えられる.高齢者の自律神経障害には適切な対処法があるので,生活の質の改善のために,積極的に治療介入を行うことが望まれる.