自律神経
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第75回日本自律神経学会総会
冷え性と自律神経
新藤 和雅
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2023 年 60 巻 2 号 p. 71-75

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抄録

冷え性とは,特別な基礎疾患がないにも関わらず,身体が冷え易く冷感過敏の状態を表現する用語である.健常者における冷え性のある人の頻度は,女性で約60%,男性では約20%とされており,男女差が大きい.冷え性のある人の身体的特徴は,体重が少なく,body mass indexも低下し,身体活動が少ないことが指摘されている.冷え性の病態は,心拍数,R-R間隔変動の周波数分析や皮膚血流量の測定結果から,冷え性のない人に比べて交感神経機能が亢進し,皮膚血流量が低下しているとされている.若年者では,寒冷刺激による皮膚交感神経活動の増加反応に過敏性があるとされており,皮膚血流量減少への関与が推測される.

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© 2023 日本自律神経学会
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