2023 年 60 巻 3 号 p. 119-123
自律神経系はリンパ器官などを支配して免疫系の調節に関わる一方で,自己免疫機序によりしばしば障害される.自律神経症候を呈する疾患としては,自己免疫性自律神経節障害のように自律神経が選択的に障害される疾患と多発性硬化症や自己免疫性脳炎などのように神経病変の一部として自律神経系に病変を伴う疾患がある.自律神経系の病変部位としては,多発性硬化症などで障害される中枢自律神経(脳・脊髄),自己免疫性自律神経節障害などで障害される末梢自律神経,Lambert-Eaton症候群などで障害される末梢自律神経終末,特発性後天性全身性無汗症(汗腺の障害)などで障害される効果器自体がある.また,視神経脊髄炎でみられる延髄最後野症候群のように疾患に特徴的な自律神経症候もある.本稿ではこれら自己免疫性疾患でみられる自律神経症候とその病態について概説する.