2026 年 63 巻 1 号 p. 27-32
パーキンソン病(Parkinson’s disease; PD)は,運動障害が前景に立つ神経変性疾患であるが,非運動症状も認め,とりわけ自律神経機能障害を含む全身性疾患である.異常なα -シヌクレイン凝集体は発症早期から延髄迷走神経背側核や嗅球に出現し,脳幹から中枢神経系へ上下行性に拡大することが示唆されており,運動症状出現前から末梢の自律神経変性が進行する可能性が指摘されている.本稿では,パーキンソン病における自律神経障害の意義と,これを可視化する手段として確立された123I–MIBG(Iodine-123 metaiodobenzylguanidine)心筋シンチグラフィの臨床的有用性について概説する.123I–MIBG心筋シンチグラフィは,心臓交感神経機能を定量的に評価可能な非侵襲的マーカーであり,PDの早期診断や非典型パーキンソニズムとの鑑別に有用である.