1960 年 13 巻 2 号 p. 73-76
テトラサイクリン製剤は, 最近益々広く使用されて来ているが, 本剤の非経口的投与では, 筋注, 静注とも幾多の副作用があつたが, 今回Farbwerke Hoechst社で新らしく部分合成したPyrrolidinomethyl Tetracycline (PRMTC) 静注用の完成によつて, 幸いこれらの副作用は減少した。更に, その筋注用の製剤の完成によつて, 従来の静注用のものに或る程度見られた副作用である胃腸障害が取除かれた。
私は, この筋注用PRM-TCを使用し, 小児科領域の各種感染症の治療をおこない, ある程度成果を得ることができたので, その概要について報告する。