The Journal of Antibiotics, Series B
Online ISSN : 2186-5469
Print ISSN : 0447-8991
ISSN-L : 0447-8991
13 巻, 2 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 塚原 叡, 伊藤 泰一
    1960 年 13 巻 2 号 p. 57-63
    発行日: 1960/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    MURRAY, WEBBおよびSWANN (1926) 1) が発見したListeria monocytogenesは, 各種の哺乳類や鳥類と同時に, ヒトをも侵すいわゆる人獣伝染病の原因菌の1つである。ヒトにおける感染はNYFELDT (1929) が腺熱様の症状を呈した患者の血液中から発見したのが最初であるが, それ以来, ヒトにおけるリステリア症は, 主として欧米各地から報告されたのみで, 本邦ではまだその報告がなかつた。
    ところが, 昨1958年, 伊藤, 佐久間, 内海および井畑 (1959) 2) は, 山形県下で脳膜炎の症状を呈した1小児の脳脊髄液から, L. monocytogenesを検出し, 細菌学的にもMeningitis listericaと診断し得た1症例を報告し, 本邦にもヒトのリステリア症の存在が確認されるに至つた。したがつて, 今後, 本症の発生は充分予想されることになつたが, リステリア症の細菌免疫学, 疫学, 化学療法等に関しては未知の点が多く, 殊に, 本症に対する抗生物質療法は重要な課題の1つと考えられ, しかも, 検索の余地が多く残されている。余等は, 抗生物質の実際的応用に関する基礎的事項について検索を試み, 次の結果を得たので報告する。
  • 石神 襄次, 加古 賢, 矢田 文平
    1960 年 13 巻 2 号 p. 64-66
    発行日: 1960/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    各種抗生物質の出現によつて, 尿路感染症治療も画期的進歩を遂げたことは周知の事実である。しかしその反面, 最近に至つてこれら抗生物質に高度の耐性を示す菌に起因する各種感染症の出現にもしばしば遭遇し, その治療に困却することも少くない。我々は今回, 明治製菓株式会社から, ノボビオシン (キャソマイシン) ・カプセルの提供を受け, 主として在来の抗生物質投与によつて無効であつた種々の尿路感染症に対して本剤を応用し, その臨床成績を検討する機会を得たので, ここに報告する。
  • 重松 俊, 古野 千城
    1960 年 13 巻 2 号 p. 67-72
    発行日: 1960/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    近年の著るしい抗生物質療法の発展によつて, 尿路感染症も多大の恩恵に浴し, きわめて満足すべき成果をおさめつつあることは周知のとおりである。しかし, 抗生物質の顕著な効果の発現と共に, その使用範囲が広く且つ頻繁となるにつれて, 耐性菌または菌交代症の発現, 抗生物質による重篤なアレルギーの出現等が注目されるようになり, 今日, 血中濃度の問題と共に新らたな抗生物質療法の研究課題として絶えざる努力がなされている。
    ここに述べようとするNovobiocin (Cathomycin) は, 1955年米国Merck研究所のH. WALLICK等によつて発見された新放線菌Streptomyces spheroidesを培養して得られた新抗生物質で, 他種抗生物質に耐性を得た細菌でも強力に阻止することがみとめられ, 従来の抗生物質に較べてきわめて毒性が少なく, 経口投与によつて難治であつた変形菌の尿路感染症にも充分効果を現わすといわれ, 泌尿器科領域においてきわめて興味ある抗生物質と考えられる。今回, 明治製菓からNovobiocin (Cathomycin) の提供を受け, これを尿路感染症に試用し, いささか知見を得たので, ここにその臨床成績をとりまとめて報告する。
    Cathomycinは天然に得られた最初の糖のカルバミン酸エステルで, 次の構造式をもつものである。

    化学名: 7-[4-(Carbamoyloxy)-tetrahydro-3-hydroxy-5-methoxy-6, 6-dimethylpyran-2-yloxy]-4-hydroxy-3-[4-hydroxy-3-(3-methyl-2-butenyl)-benzamido]-8-methylcoumarin
  • 國分 義行, 田口 和義
    1960 年 13 巻 2 号 p. 73-76
    発行日: 1960/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    テトラサイクリン製剤は, 最近益々広く使用されて来ているが, 本剤の非経口的投与では, 筋注, 静注とも幾多の副作用があつたが, 今回Farbwerke Hoechst社で新らしく部分合成したPyrrolidinomethyl Tetracycline (PRMTC) 静注用の完成によつて, 幸いこれらの副作用は減少した。更に, その筋注用の製剤の完成によつて, 従来の静注用のものに或る程度見られた副作用である胃腸障害が取除かれた。
    私は, この筋注用PRM-TCを使用し, 小児科領域の各種感染症の治療をおこない, ある程度成果を得ることができたので, その概要について報告する。
  • 中沢 進, 岡 秀, 大石 久, 小川 義市, 森元 博久, 福田 寿夫, 岩田 正昭, 木村 誠之, 李 文遠
    1960 年 13 巻 2 号 p. 77-79
    発行日: 1960/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    最近における広域抗生剤の新らしい傾向として内服による高血中濃度製剤の出現のほかに, 同様の性状を備えた筋注用製剤がクローズ・アップされてきている。広域抗生剤の使用する機会の多い年少小児にとつて, 無痛に投与できる小児用製剤は, 理論的には適しているが, 連用する場合には, 服用を嫌がることが多く, また重症感染の治療にあたつては, 早急に確実な高い血中濃度を与える必要に迫られるし, 酸素テント収容時には内服の継続は困難になつてくる。いずれにしても, 重症感染症罹患中の年少小児への抗生剤の投与は, 比較的容易なしかも確実性のある筋注剤によるほうが便利なことが多いことは臨床家の日常等しく経験するところであるかと思う。以上の目的に沿うTetracycline系の筋注用製剤Pyrrolidinomethyl tetracycline (Hostacycline)(PRMTC) には高血中濃度と有効血中濃度の長時間持続という特徴のほかに, 髄液中に高度に移行する利点があり, 小児用広域抗生剤としての使用価値が高く評価されてきたところであり, 今回私等も本製品を臨床的に使用する機会に恵まれ, 一連の臨床的検討をおこなつてみたので, 以下現在まで得られた概況の一端について略報したいと思う。使用したLotは, No.10で, 1 Vial 100mgまたは250mg含有のものを使用した。
  • 市橋 治雄, 紺野 昌俊
    1960 年 13 巻 2 号 p. 80-81
    発行日: 1960/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 市橋 保雄, 池田 宏, 木村 三生夫, 八坂 篤
    1960 年 13 巻 2 号 p. 82
    発行日: 1960/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 加藤 寿一, 本谷 尚
    1960 年 13 巻 2 号 p. 83-85
    発行日: 1960/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    広領域の作用をもつTetracycline系抗生物質は, 最近広く小児科領域の感染症に使用されているが, 完全な血中濃度および組織濃度を得るためには, 少くとも6時間毎に投与せねばならず, しかも好んで経口投与によつておこなわれていた。しかし, 経口投与不可能の場合とか, 腸内常在微生物に作用する結果生ずる菌交代現象の場合等, 非経口的に投与しなければならない時があるが, 従来のTetracycline系抗生物質を筋肉内または静脈内に注射することは, これら物質の水に対する溶解度が低いために非常に困難であつた。しかし, 最近Tetracyclineのアミノメチル化によつてその水溶性を2,500倍以上にまで高めることに成功し1), 合成された一連のアミノメチル・テトラサイクリンのうちPyrrolidinomethyl tetracycline (C27H33O8N3) が臨床試験に供され, 内外諸家によつて静注法による成績が報告されている2~7)。Pyrrolidinomethyl tetracycline (PRM-TC) の特長として, 次のことが知られている8)。
    1) 注入箇所の静脈刺戟, 血栓形成等がない。
    2) 血中濃度が非常に高く, 作用の持続時間が長い。
    3) 腸内排出が僅少であるので, 腸内常在微生物に影響を与えない。
    4) 尿中濃度も高く, 持続も長い。
    最近, HANDE9)は筋注による臨床治験例を報告しているが, 今回我々は日本抗生物質学術協議会から筋注用のPRM-TCの提供をうけ, これを小児科領域の主として肺炎患児の治療に使用したので, その成績を報告する。
  • 1960 年 13 巻 2 号 p. 86-89
    発行日: 1960/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 1960 年 13 巻 2 号 p. 89
    発行日: 1960/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
feedback
Top