The Journal of Antibiotics, Series B
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新抗生物質Rifamycin SVに関する薬理学的研究
荒谷 春恵山中 康光中川 晃檜井 秀夫中村 至成
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1963 年 16 巻 5 号 p. 312-316

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抄録

1957年Leptit社研究所の研究陣によつて放射菌の1種からRifamycin A, B, C, D, Eが発見された。その後, RifamycinBを水溶液で通気することによつてRifamycin Sが, さらに, Ascorbicacidで軽く還元することによつて, 抗菌作用のきわめて強いRifamycin SVが得られた1)。
Rifamycin SVはGram陽性菌に対して, Penicillinと同等の発育阻止作用をしめし, Mycobacterium tuberculosisにも有効であるとTIMBALら2)は報告している。
RifamycinSVの化学構造は未解明ではあるが, C37H49NO12の実験式をもつ機黄色, 酸性の結晶で, 水に難溶である。そのNa塩は水に5%溶解し, そのときのpHは7.2である。水溶液の状態では徐々に活性を失ない, 1カ月後には約50%の低下をしめす。
その薬理作用についてはMAFFIIらの報告3) があつて, マウスにおけるLD50は静脈内適用550mg/kg, 経口適用2,120mg/kg, 犬の血圧を50mg/kg以上で一過性に下降し, 家兎摘出心房に対しては10-4まで影響なく, Acetyl-choline, HistamineおよびBaCl2の反応にも変化を与えないと述べられている。
われわれもRifamycin SVを入手する機会を得たので, その薬理学的検索をおこない, 以下に述べるような結果を得た。

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