The Journal of Antibiotics, Series B
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16 巻, 5 号
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  • 金子 弘, 奥山 宣夫
    1963 年 16 巻 5 号 p. 309-311
    発行日: 1963/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    テトラサイクリン系抗生物質は, その抗菌スペクトラムが広く, いまなお感染症に対する化学療法剤の主流をなしている。Oxytetracyclineの新らしい静注用製剤である静注用テラマイシンは, Oxytetracyclineのmagnesium hydroxythylammonium塩をN-Hydroxy-ethyllactamideの水溶液に溶解したもので, 1アンプル3ml中にOxytetracycline 250mgを含有している。このものは静注後, 高い血中濃度を長時間持続する特徴をもつており, そのうえ, 従来の静注用オキシテトラサイクリンでみられた副作用がいちぢるしく減少したといわれている。われわれは台糖ファイザー会社からこの製剤 (静注用テラマイシン) の提供をうけたので, その臨床成績を検討した。
  • 荒谷 春恵, 山中 康光, 中川 晃, 檜井 秀夫, 中村 至成
    1963 年 16 巻 5 号 p. 312-316
    発行日: 1963/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1957年Leptit社研究所の研究陣によつて放射菌の1種からRifamycin A, B, C, D, Eが発見された。その後, RifamycinBを水溶液で通気することによつてRifamycin Sが, さらに, Ascorbicacidで軽く還元することによつて, 抗菌作用のきわめて強いRifamycin SVが得られた1)。
    Rifamycin SVはGram陽性菌に対して, Penicillinと同等の発育阻止作用をしめし, Mycobacterium tuberculosisにも有効であるとTIMBALら2)は報告している。
    RifamycinSVの化学構造は未解明ではあるが, C37H49NO12の実験式をもつ機黄色, 酸性の結晶で, 水に難溶である。そのNa塩は水に5%溶解し, そのときのpHは7.2である。水溶液の状態では徐々に活性を失ない, 1カ月後には約50%の低下をしめす。
    その薬理作用についてはMAFFIIらの報告3) があつて, マウスにおけるLD50は静脈内適用550mg/kg, 経口適用2,120mg/kg, 犬の血圧を50mg/kg以上で一過性に下降し, 家兎摘出心房に対しては10-4まで影響なく, Acetyl-choline, HistamineおよびBaCl2の反応にも変化を与えないと述べられている。
    われわれもRifamycin SVを入手する機会を得たので, その薬理学的検索をおこない, 以下に述べるような結果を得た。
  • マウスで肺炎球菌を用いた実験
    須山 忠和, 小黒 義五郎
    1963 年 16 巻 5 号 p. 317-322
    発行日: 1963/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    古くから化学療法剤と抗血清の併用がマウスのブドウ球菌感染に対し相乗効果を示すことが知られていた (DE & BASU 19381)) が, FISHER (1957) 2), WAISBREN (1957) 3), MANNING et al.(1958) 4), FISHER & MANNING (1958) 5) 等が人血清ガンマ・グロブリンとクロランプエニコールとの併用が細菌性感染に対して著るしい相乗効果を示すことを報じて一般の注意を引いた。
    大山, 堀田等6, 7)は, それらの追試として, マウスの肺炎球菌感染に対する人血清ガンマ・グロブリンとサルフアダイアジンの併用ならびに人血清グロブリンとクロランプエニコールとの生体内併用において著明な相乗効果をみとめ (試験管内ではこのような効果はない), その相乗効果発揮機転の解明を試みたが, 凝集反応, オプソニン反応, 爽膜膨化反応等の細菌血清間の免疫学的反応で説明し得るものを見出し得ず, またそのような相乗的効果はペニシリンやストレプトマイシンでは, クロランプエニコールほど著明でないことをみた。佐古8) もまた, クロラソフニコールとガンマ・グロブリンの相乗効果を追試し, 別手法でこれを証明した。上田等9) は寒天培地抗生物質添加によるブドウ球菌耐性獲得実験において, 人血清グロブリンの培地中添加によつて対抗生物質耐性獲得が著るしく阻害されることを示した。
    この所見は早くも臨床試験に移され, 主としてクロランプエニコールと人血清グロブリンの併用効果が検討されたが, WAISBREN3), 高瀬等10), 吉村等11), 古賀2), 高木13), 伊藤4), 小牧15), 小野等16), 滝川等17), 鈴木等18), 藤田等19), 山下等20), 岩田等21), 坂井等22), いずれも著明な効果を報じている。そのうち, クロランフエニコール耐性菌の感染症にも効果をみとめられたものがあつて (伊藤4), 注目される。
    このような相乗効果は, 今日まで主としてクロランフエニコールにおいてみとめられて来たが, それ以外の抗生物質において人血清グロブリンとの共同相乗効果があるかどうかは, まだ十分に確かめられていなかつた。この研究はこの点を明らかにしようとしたもので, 本報ではマウスで肺炎球菌を用いての菌血症を示標として実験したところを報告する。
  • 1963 年 16 巻 5 号 p. 323-349
    発行日: 1963/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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