1965 年 18 巻 6 号 p. 486-490
化学療法の発達に伴ない吾領域の感染症治療は容易になつたが, その結果として, カンジダを中心とする真菌の出現, ひいては真菌症の発生が増加することも避けられない事実である。近年, 真菌症の治療薬剤として抗真菌性抗生物質の研究が盛んとなり, Trichomycinほか多くの薬剤が登場しているが, 今回吾々は日本抗生物質学術協議会を通じ, オランダで開発された新らしい抗真菌剤Pimaricinを入手し, 基礎実験と臨床応用を試みる機会を得たので, その成績を報告する。