The Journal of Antibiotics, Series B
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新しいスピラマイシン誘導体Acetyl-spiramycinに関する基礎的研究
中沢 昭三横田 芳武南 亜夫三谷 敬子吉岡 修金沢 和子瀬野 幸子下山 幹雄斎藤 安正
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1966 年 19 巻 2 号 p. 90-94

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抄録

本論文の要旨は, 昭和40年6月3日国立教育会館において開催された第13回日本化学療法学会総会ならびに昭和40年12月20日大阪府医師会館における第13回日本化学療法学会中日本支部総会“アセチルスピラマイシン・シンポジウム”基礎部門において報告した。
1965年, 協和醗酵富士工場の研究陣によつて開発されたアセチルスピラマイシンは, スピラマイシンをアセチル化して得られる新らしい誘導体である (図1)。
Macrolide抗生物質の誘導体としては, すでにErythromycin→Propionylerythromycin lauryl sulfate,Oleandomycin→Triacetyl-oleandomycin, Leucomycin→Acetylleucomycinなどが臨床面で使用されているが, これらの誘導体の主な特徴としては, 血中有効濃度の上昇と持続性の改良に重点が置かれており, 生体内治療効果の増強によつて投与量を従来のSpiramycin baseの半量でもなお有効としたAcetyl-spiramycinの開発とは大きく目的を異にしている。開発研究の初期から協力してきた私どもの研究機関の成績をここに報告する。

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