1966 年 19 巻 2 号 p. 95-100
本論文の要旨は, 昭和40年6月, 東京国立教育会館における第13回日本化学療法学会総会に発表した。
Spiramycin1)~6)は, 1954年フランス, ローンプーラン研究所のS. PINNERT-SINDICO等によつて分離されたStreptomyces ambofaciensが産出する新抗生物質として抽出されたもので, 主としてグラム陽性菌に有効で, Erythromycin, Oleandomycinと同じMacrolide系抗生物質である。
我々は, 当研究所において従来からSpiramycin誘導体の開発研究を試みて来たが, 特殊な方法で合成したSpiramycin monoacetate I (Acetyl spiramycin) はin vitroおよびin vivoの基礎研究において, Spiramycinより優れた知見が得られたので, ここに報告する。