1966 年 19 巻 4 号 p. 277-287
1948年BROTZUがSardinia海岸から分離したCephalosporium acremoniumの産生する抗生物質に端を発したCephalosporin研究は, その後, 1955年NEWTON & ABRAHAMがこの中からCephalosporin Cを分離し, さらに1961年その化学構造を決定した結果, 本剤がD-α-Aminoadipic acidとPenicillinの6-APAの代りに7-Aminocephalosporanic acid (7-ACA) をもつことが明らかとなつた。これ以来, Cephalosporin Cの種々な誘導体が合成されてきたが, その中でもEli Lilly社が開発したCephalothin (CET, Keflin) は最も有力な抗生物質であるので, われわれもその臨床的検討をおこなつている。今回は, 産婦人科領域における諸種感染症に本剤を応用し, 薬剤投与方式, 感受性と臨床効果との相関性などを追求したので報告する。