The Journal of Antibiotics, Series B
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皮膚科領域におけるAcetyl spiramycinの使用経験
立花 和典山田 瑞穂武田 敏夫
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1966 年 19 巻 6 号 p. 441-443

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抄録

Spiramycinは, 1954年PINNERT-SINDICO夫人によつて発見されたStreptomyces ambofaciensの培養濾液から抽出された抗生物質である。マクロライド群に属し, グラム陽性菌に有効, 特に耐性葡萄球菌に有効であり, 消化管に対する副作用が少ない等の利点がある。われわれ京都大学皮膚科教室では, Spiramycinを皮膚科領域において使用し, 優秀な治療成績を挙げたことを昭和36年第9回中日本化学療法学会に報告4) した。
今回は, Spiramycinの改良型Acetylspiramycinを臨床的に使用する機会を得たので, その成績を報告する。Acetylspiramycin (Ac-SPM) は, 従来のSpiramycinに比して抗菌力はやや劣るが, 血清中および臓器内濃度は高く, ことに感染動物治療試験では, 従来のSpiramycinの半量で同程度の効果を現わすことが32特長であるとされている1, 2, 3) 。

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