The Journal of Antibiotics, Series B
Online ISSN : 2186-5469
Print ISSN : 0447-8991
ISSN-L : 0447-8991
抗生物質の作用機序に關する研究 第4報
併用による耐性獲得の防止に就いて
内藤 寛
著者情報
ジャーナル フリー

1953 年 6 巻 2 号 p. 86-89

詳細
抄録
CARPENTER, et alは淋菌を使つてSulfathiazol, Rivanol lactate, Promin及びPenicillinについて単独及び併用による耐性獲得の状態を実験し, 4種を併用することによつて耐性獲得が全く防止されたと報告し, KLEIN&KIMMELMANはブドウ球菌を使つてStreptomycinとPenicillinとの併用効果について実験し, 両者にSulfadiazineを加えると耐性増強防止効果を認めたと報告し, 渡辺はブドウ球菌を使つてPenicillinとStreptomycinとの協同耐性について, 山川はチフス菌を使つて動物実験でPenicillinとChloramphenicolの併用による耐性増強防止を報告している。
抗生物質は, 単独に用いるときよりも, 併用したときのほうが効果を増すことから考えても, 耐性獲得の場合にも, 単独に用いるときよりも2種以上併用したときのほうが或いは耐性獲得の防止に役立つのではないかと想像される。私は先に5種抗生物質 (Streptomycin, Penicillin, Chloramphenicol, Aureomycin及びTerramycin) 単独に対する耐性獲得の状態について報告したが, これらの抗生物質を2種以上併用した場合にどういう耐性獲得の状態を示すか, どの組合わせのときに耐性獲得の防止に役立つかに就いて実験した。
著者関連情報
© 公益財団法人日本感染症医薬品協会
前の記事 次の記事
feedback
Top