1953 年 6 巻 2 号 p. 90-92
急性腹膜炎に対する各種抗生剤の応用は, われわれ外科医が日常遭遇する問題であり, わたくしどもの教室でも, 数年来研究の対象としているところである。それでこれら抗生剤の腸運動におよぼす影響についても2, 3の検討を試みた。
抗生物質の腸運動におよぼす影響については, 岩川教授等の広範な研究があり, サルファ剤については, 永井, 井沢, GANSSEN, BREISGAU等の報告もあるが, 腹膜炎における抗生剤の影響についてはまだ記載がない。そこで, わたくしは家兎に実験的腹膜炎をおこしたのち抗生剤を投与して腸運動に対する影響をも観察した。