1953 年 6 巻 3 号 p. 125-127
我々は第1報において, ペニシリンとサルファ剤が共存する血液の血清中ペニシリン濃度を, パラアミノ安息香酸添加培地に重層することによつてサルファ剤の抗歯力を阻止して測定できることを報告し, 且つサルファ・ペニシリン錠 (明乳) 内服時の血中ペニシリン及びサルファ剤濃度 (津田法によつて測定) を測定し, 両者とも単独内服時の場合と血中濃度には差異を見出し得なかつたことを報告した。
本邦においては, 東北大学の本多等, 慈恵大学の河野等, 長崎大学の木戸等によつて, ペニシリン・サルファ剤の混合注射がペニシリンの血中濃度のピークを著明に上昇させ, 且つ持続時間を著明に遷延させることが発表されている。
我々は水溶性ペニシリンをサルファ剤注射液中に溶解して筋内注射し, ペニシリン及びサルファ剤濃度を定量し, 主としてペニシリン血中濃度の消長を追求した。