The Journal of Antibiotics, Series B
Online ISSN : 2186-5469
Print ISSN : 0447-8991
ISSN-L : 0447-8991
主としてグラム陰性菌に有効な抗菌性放線菌に就いて
放線菌抗菌性物質に関する研究 第25報
黒屋 政彦片桐 謙高橋 文治日沼 頼夫鎌田 孝黒屋 雅和賀 義雄高沢 章渡辺 研三
著者情報
ジャーナル フリー

1953 年 6 巻 9 号 p. 455-458

詳細
抄録

主としてグラム陰性菌に有効な抗生物質で既に報告されたものには, 放線菌が産生するものとしてGrisein, Chloramphenicol及び我が教室で分離されたK-300, Streptothiricin 3等があげられている。
我々の従来の方針に従がい, 土壤から分離された放線菌株の中にはBac. subtilis, Sh. sonnei, Mycob. 607, Cand. albicansを被検菌として, Agar disc法によつてPrimary screeningをおこなつた場合, Sh. sonneiに最も有効, 次いでMycob. 607には有効または無効, B. subtilisには無効または僅かに有効な抗生物質を産生する1群が比較的多数 (第I群の約3~4%) 存在することが確められた。我々はこの1群を抗大原菌因子 (SS factor=Shigella sonnei factor) 産生株と称し, これに属すると思われる菌株28株を保持しているが, このうち培養濾液に力価を認められない6株を除き, 残り22株について種々の方面から実験観察をおこない, この1群の有効物質を数群に分類し, それぞれ代表的なものを精製しようとした。

著者関連情報
© 公益財団法人日本感染症医薬品協会
前の記事 次の記事
feedback
Top