The Journal of Antibiotics, Series B
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抗モニリア作用を有する薬剤の試験管内併用効果
早坂 聰孝
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1955 年 8 巻 6 号 p. 220-222

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抄録

各科領域に於けるモニリア症について多数の報告例に接する現在, 遺憾ながら適切有効な治療薬が未だ発見されていない。細谷教授1) 2)のトリコマイシンは有効であると報告され, 既に臨床的にも応用されているが, なお全身投与は毒性, 副作用等の関係から充分でないようである。当教室において発見されたフラバシッド3) 4)は, 婦人科領域のモニリア症について外用薬として有効なことは既に報告したところであるが,やはりその毒性及び血清によつて不活性化されることから, 全身投与に適しない。ところが, 肺, 気管枝モニリア症, その他の内臓諸器官のモニリア症の治療にはもちろんのこと, 腟モニリア症等においても, しばしば再発を来たすので, 外用のみでは不充分で, 完全治癒という点から全身投与が望ましい。私はC.albicansに対して諸種薬剤の試験管内併用効果を実験中であつたが, いささかの成績を得たので, より完全な治療への一段階として発表し, 諸賢の御批判を得たいと思う。

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