The Japanese Journal of Antibiotics
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新抗生剤Penimepicycline (Hydrocycline) の小児科領域における2, 3の検討
中沢 進岡 秀佐藤 肇平沢 与枝子近岡 秀次郎神田 修次新井 蔵吉
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1969 年 22 巻 1 号 p. 70-78

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抄録

Penimepicycline (以下PMCと略記) は, 従来のTetracycline (TC) 系製剤に比較して溶解度の高いPiperazine誘導体Hydroxyethyldiethylenediaminomethy-TC 1 mol とPhenoxymethy penicillin (PC-V) 1 mol つつの酸・塩基結合の新抗生剤であり, 溶解性が高いために (1,428mcg/ml), 従来のTC系製剤に比較して注射時の局処組織に及ぼす障害が少く, 注射, 内服いずれによつても生体内によく吸収され, TCとPCの併用による抗菌性の拡大, ある種の菌属, 特にブドウ球菌に対する抗菌性の強化のみられる点を特徴としている1~5)。すでに外国では, 各種の急性呼吸器感染症に使用して優秀な治療効果のあつた報告がみられる (第1~2表) 6~8)。
私等も, 本剤の筋注を主体としての小児科領域における一連の基礎的, 臨床的検討をおこない, 価値ある成果を得ることができたと思われるので, 今日までの概況について報告する。

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