The Japanese Journal of Antibiotics
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小児感染症治療におけるCS-1170の臨床的検討
永松 一明浜田 勇
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1979 年 32 巻 2 号 p. 238-240

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抄録

Streptomycesから単離されたCephamycin Cは, セファロスポラン酸の7位にメトキシ基をもつ点で従来のセファロスポリンCとは異なる抗生物質であり, β-Lactamaseに対して強い抵抗性をもつている。この Cophamycin誘導体の中から開発されたCS-1170は, β-Lactamaseに対する抵抗力が強く, β-Lactamase産生菌に対しても強い抗菌力を示し, グラム陽性菌およびグラム陰性菌にも優れた抗菌力をもち, さらにセファロスポリン系およびペニシリン系抗生物質が無効であるインドール陽性のProteus, Serratiaにも強い抗菌力があり, 嫌気性菌, とくにBacteroides fragilisにも有効といわれている。
このような特長をもっCS-1170は, 静注されると, 代謝されずに活性型のまま尿中に速やかに排泄され, 一般毒性は少なく, 腎毒性もセファロリジン, セファゾリンより少ないといわれている。
我々は, CS-1170を使用する機会をえたので, 小児感染症に対する治療効果を検討した。

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