The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるCS-1170の臨床的検討
沢井 稔藤井 良知
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1979 年 32 巻 2 号 p. 247-252

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抄録

CS-1170は, 三共株式会社中央研究所で研究が進められてきた新抗生物質1) で, 構造式はFig.1に示したとおり, セファロスポラン酸の7位にメトキシ基をもっCephamycin系で, 従来のCephalosporinと同様に広くグラム陽性・陰性菌群に抗菌スペクトルを示すばかりでなく, 異なる特性をもっ, Cefoxitinと類似の新規抗生物質である。本剤の特長は, β-Lactamaseに対する抵抗性が強いため, 大腸菌を含むβ-Lactamase産生菌にも強い抗菌力をもち, 従来のCephalosporin系およびPonicillin系抗生物質が無効であつたIndole陽性ProteusおよびSerratiaなどにも強い抗菌力をもつことにある。また, 臨床では, 筋・静注によつて高い血中濃度が得られ, 一般毒性もきわめて弱いことが特長である。成人領域の臨床検討は, すでにおこなわれて9), その有効性が確認されており, 小児科の吸収, 排泄も研究会において明らかにされた。
今回, 我々は種々の小児急性感染症に対する本剤の臨床的検討をおこなつたので, ここに報告する。

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