The Japanese Journal of Antibiotics
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Fosfomycinの抗原性に関する検討
柴田 右一井沢 正典柴崎 義明永井 修子武田 植人柳沼 恵一三富 奈由梅村 甲子郎
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1981 年 34 巻 1 号 p. 16-20

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抄録

Fosfomycin ((-)-(1R, 2S)-(1, 2-Epoxypropyl) phosphonic acid, 以下FOMと略す) は, Streptomyces wedmorensis およびS. fradiaeなどの放線菌によつて産生される新規抗生物質であるが1), 現在は合成によつて作られている。本物質は, Fig.1に示すようなC-P結合をもつ, きわめてユニークな化学構造で2), グラム陽性および陰性菌に対して広い抗菌スペクトルをもち, 他剤との交叉耐性はなく, グラム陰性感染症に卓越した効果をみとめ, その作用機構として細胞壁合成の初期過程を阻害することが知られている3)。本物質のカルシウム塩は, 経口製剤として, またナトリウム塩は注射用製剤として開発されている。
今回, FOMの抗原性を検討するため, ヒト血清蛋白との結合性, 免疫グロブリンG (IgG) および免疫グロブリンE (IgE) の抗体産生能について実験をおこなつたので報告する。

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