1981 年 34 巻 6 号 p. 1002-1018
Cefotiam (CTM) は, 7位の側鎖にAminothiazole環をもち, 3位の側鎖にはTetrazole環をもっCephalosporin系に属する新らしい抗生剤である。従来のCephalosporin剤に比較して, Escherichiacoli, Klebsiella pneumoniae, Proteusmirabilisなどのグラム陰性菌には一段と抗菌力が優れており, 又抗菌スペクトラムの面においても, Haemophilus influenzae, Enterobaeter, Citrobacter, Indole (+) Proteusにまで拡大されている。その血中半減期はCefazolin (CEZ) より短いが, Cephalothin (CET) よりは長いといわれる。また尿中排泄率は投与後6~8時間でおおよそ60~80%であり, 腎毒性についてはCETと同程度で弱いといわれている。
今回, 我々は小児科領域において本剤の抗菌力, 吸収排泄, 臨床面での検討をおこなったので, その成績を報告する。