The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
血液疾患に伴なつた重症感染症に対するAmikacin点滴静注の基礎的・臨床的検討
杉浦 浩策外山 圭助根岸 昌功青木 功岡本 眞一郎楊 振典安藤 泰彦内田 博
著者情報
ジャーナル フリー

1981 年 34 巻 6 号 p. 832-840

詳細
抄録

近年, 血液疾患, なかでも急性白血病の治療は各種抗白血病剤の多剤併用による強力な化学療法, また, 顆粒球輸血, 血小板輸血などの補助療法の進歩により, 完全寛解率の向上および生存期間の延長がみられるようになつた。しかし, これら治療に伴ない著明な骨髄造血機能低下がみられ, 随伴する感染症が急性白血病の予後に重大な影響を与える要因となつてきている。
これら感染症は重症かつ難治性であり, その起炎菌はPseudomomsaeruginosa, Klebsiella, Escherichia coli, Serratiaなどのグラム陰性桿菌が現状では高頻度に分離されている。このような条件下での感染症に対しては, 強力な抗生物質療法を施行する必要があるため, グラム陰性桿菌に殺菌的に作用するアミノ配糖体抗生物質を支柱とした, ペニシリン系およびセファロスポリン系抗生物質の2剤, あるいは3剤併用療法が汎用されている。
今回, 我々は血液疾患に伴なつた重症感染症に対してAmikacinを経静脈的に投与し, そのさいの血中動態および臨床的検討をおこない, 多少の知見を得たのでここに報告する。

著者関連情報
© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
前の記事 次の記事
feedback
Top