The Japanese Journal of Antibiotics
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消化器外科領域の感染症に対するAmikacin (AMK) の点滴静注投与の経験
横森 忠紘久高 弘志金子 洋大和田 進斉藤 清渡辺 正彦
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1981 年 34 巻 6 号 p. 852-855

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抄録

Amikacin (AMK) はKanamycin Aから化学的に誘導されたアミノ配糖体系抗生物質で, グラム陽性菌・陰性菌に殺菌的に作用し, 特にグラム陰性桿菌に有効で, 現在広く臨床に使用されている。又, 他のアミノ配糖体系抗生物質との間にほとんど交叉耐性がないのが特徴で, 特にGentamicin (GM) 耐性菌に有効である1~3)。近年, 外科的感染症の起因菌として, 大腸菌や緑膿菌をはじめとするグラム陰性桿菌の増加が顕著であり, 特に腹膜炎や胆道感染症などの消化器外科領域の感染症では, 大部分の症例でグラム陰性桿菌が検出されるのは周知の事実である4~8)。したがつて消化器外科領域においてはアミノ配糖体系抗生物質が多く使用されているが, その投与法としてはほとんどが筋注法でおこなわれてきた。しかし, 臨床的効果の点からも, 又, 筋注の持続的な投与による局所の炎症や血腫の形成などの点からも経静脈内投与が望ましいと思われる。
我々は今回, 消化器外科領域の各種感染症にAMKを点滴静注法で投与してその効果や副作用について検討したので報告する。

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