The Japanese Journal of Antibiotics
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Cefsulodinの小児科領域における臨床的検討
柳沢 公二柳沢 啓子保科 弘毅市橋 治雄
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1982 年 35 巻 11 号 p. 2683-2687

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抄録

Cefsulodin (CFS) は武田薬品中央研究所で開発された最初のセファロスポリン系抗緑膿菌剤で, その化学構造式はFig.1のように表される。抗緑膿菌作用は, in vitroで強い抗菌力と殺菌作用を示し, その強さはSulbenicillin (SBPC), Carbenicillin (CBPC) よりも一段と強く, アミノ配糖体系抗生剤とほぼ同等で, 且つアミノ配糖体系抗生剤と交叉耐性がなく, アミノ配糖体系抗生剤耐性緑膿菌に対しても強い抗菌活性を示す。又緑膿菌の産生するβ-Lactamaseに対しても安定であり, 動物における吸収・排泄, 体内分布, 代謝などについて種々検討され, その安全性も確認されている1)。われわれは今回, CFSを基礎疾患を有するため感染を繰返し, しかもこれに緑膿菌が関与している難治性小児感染症3例に用い, その臨床効果及び有用性を検討したので報告する。

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