The Japanese Journal of Antibiotics
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Enzyme Multiplied Immunoassay Techniqueによる Gentamicin測定の検討
ioassay法との比較
坂田 宏滝本 昌俊藤田 育志橘高 毅
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1982 年 35 巻 5 号 p. 1229-1232

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抄録

Gentamicinは特にグラム陰性桿菌による感染症の標準的な治療薬として, 使用頻度の高い抗生物質であるが, 他の抗生物質に比べて, 治療指数が低く, 血中濃度に細かく注意を払わなけれぼならないのが難点である. もともと薬物の血中濃度は予測が難しいものであり, それ故Gentamicinなどのように高い血中濃度と副作用の関連性が強いと云われる1, 2) 薬物では, 薬物の血中濃度の監視が望ましい.特に腎不全の患者においてはそうである.
しかし現在まで標準的測定法とされている生物学的測定法 (Bioassay) は, 長時間を要する上に, 特異性に乏しいきらいがある.
Enzyme multiplied immunoassay technique (EMIT) は最近になつて開発された応用性の広い免疫化学的測定法の一種であるが, 特異性, 簡便性などの点で秀れたところのある方法である.現在まで確認されている他の薬物における同測定法の再現性, 特異性などからみてGentamicinについても, 一般に実用化されうる秀れた方法であることが期待される. そこで我々は現在の標準的方法であるBioassay法との比較をおこなつて主にその測定的結果の統計的な関連性を検討した.
EMIT法の秀れた点である特異性, 簡便性, 測定感度などを考慮すると, この方法は臨床の実際面で充分実用に耐えると思われる. 現在まで報告された成績を参考として, 我々の得た成績とその分析結果を紹介する.

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