1982 年 35 巻 5 号 p. 1233-1239
緑膿菌はヒトに重篤な難治感染症を惹起することで注目を集めたが, 近年緑膿菌以外のPseudomonas属による感染症, なかでもPseUdOmonas maltophilia, Pseudomonas cepaciaによる局所的あるいは全身的感染症が諸家により報告されている1).また, Pseudomonas属は病院内に生息し, しかも消毒薬に抵抗を示す菌株が多いことなどにより院内感染の原因菌ともなりうる2).
アミノグリコシド系抗菌薬は緑膿菌に対し就有効であるが, そのほかのPseudomonas属には一般に効果は低いとされている3).一方, テトラサイクリン系抗菌薬のMinocyclineはこれらPseudomonas属に対して良い効果を示すことが報告されている4, 5, 6).
著者らは最近臨床材料から検出された緑膿菌以外のPseudomonas属6種210株のアミノグリコシド系抗菌薬および206株のテトラサイクリン系抗菌薬に対する感受性を検討したので報告する.