1982 年 35 巻 9 号 p. 2159-2162
T-1982は高野ら1) によつて合成された新規セファマイシン系抗生物質で, β-Lactamaseに対して安定でグラム陽性菌ならびに陰性菌に対して優れた抗菌力を示す2)。
著者らは既に14C-T-1982のラヅトおよびマウスにおける吸収, 分布および排泄について組織摘出法により検討し, その結果を報告した3)。 今回, 全身オートラジオグラフィーにより健常マウス, 妊娠マウスおよび実験的腎孟腎炎マウスを用いて, 14CT-1982の組織内分布, 胎仔への移行性ならびに感染病巣への到達性について検討を行い若干の知見を得たので報告する。