The Japanese Journal of Antibiotics
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Pseudomonas aeruginosa及びSerratia marcescensに対するSisomicin, Gentamicinとeracillin, Cefmetazole間の併用に関する細菌学的研究
斎藤 正人芝田 和夫西野 武志谷野 輝雄
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1983 年 36 巻 1 号 p. 37-46

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抄録

Sisomicinは放線菌Micromonospora inyoensisの産生するAminoglycoside系抗生物質である。本剤はGentamicin同様幅広い抗菌スペクトラムを有し, その抗菌力はGMよりやや強く, Pseudomonas aeruginosa及びStaphylococcus aureusに対する殺菌率はGMより優れており, 又in vivoの効果はGMに比べ優れていると報告されている1~6)。
Aminoglycoside系抗生物質は同じ蛋白合成阻害作用を示すMacrolide, ChloramphenicolあるいはTetracycline系抗生物質と異なり, 短時間内に非常に優れた殺菌作用を示す切れ味の良い抗生物質と言われている。しかし, 第8脳神経障害や腎毒性などの副作用を有するために使用時には注意が必要と思われる。これらの副作用の軽減あるいは相乗効果による抗菌力の増強の目的でPenicillin系あるいはCephem系抗生物質との併用が考えられる。今回, 我々は比較薬としてGMを用い, Penicillin系抗生物質としてPiperacillinを, Cephem系としてはCephamycin系抗生物質のCefmetazoleを用い,in vitro及びin vivoにおける併用効果をP.aeruginosa並びにSerratia marcescensを試験菌として用い, 検討を行つたので報告する。

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