1983 年 36 巻 12 号 p. 3392-3394
アミノ配糖体系抗生物質は腎毒性, 聴器毒性が強いためにいわゆる治療量の範囲が狭く, 特に腎機能障害例を扱うことの多い尿路感染症においては原疾患による腎機能の低下がアミノ配糖体系抗生物質の体内蓄積, 毒性を助長すると言う関係にあり, 臨床使用における1つの問題点となつている。
近年, 比較的低分子物質であるホスホマイシン (FOM) が, それ自体抗菌力をもつと共にアミノ配糖体系抗生物質の腎毒性を予防すると言う報告が散見される1, 2)。そこでわれわれもこの点に関連して動物実験を試みた。