The Japanese Journal of Antibiotics
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アンピシリン坐剤 (KS-R1) の小児科領域における臨床的検討
保科 弘毅三国 健一市橋 治雄高橋 慎太郎長谷川 廉長田 亮小林 清
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1983 年 36 巻 7 号 p. 1827-1833

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抄録

アンピシリン (ABPC) はC16H18N3O4SNaの分子式を持つ白色~淡黄色の粉末で, 大腸菌, 変形菌, インフルエンザ菌などのグラム陰性菌及びベンジルペニシリン感受性ブドウ球菌, 溶血連鎖球菌, 肺炎球菌などのグラム陽性菌に抗菌作用を示し, その作用は殺菌的である1) と言うことは周知の事実である。KS-R1は住友化学工業と京都薬品工業で新たに開発されたアンピシリン含有の坐剤であり, 脂肪酸ナトリウム含有のウィテプゾ-ルを基剤とし, 本剤1個中にアンピシリンを125mg (力価) 又は250mg (力価) を含有している。本剤を直腸から投与することで十分な血中濃度が得られることがヒトにおける吸収・排泄試験から明らかにされており, 又局所の刺激も少なく, 坐剤の肛門からの排出率についても他の各種の坐薬と比べて多くないことが明らかにされている2)。今回我々は本剤を軽度から中等度の小児感染症に臨床使用する機会を得たので, その成績について報告する。

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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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